狙撃手バイアス
このバイアスは狙撃ゲームのように「撃つ」か「撃たない」かを判断する単純な課題を用いて検討される。
画面上で切り替わっていく風景の中に男性が出てきたとき、その男性が銃などの武器を所持していた場合には「撃つ」を選択し、携帯電話など武器ではないものを所持していた場合は「撃たない」を選択させる。
画面に登場する男性は白人ないし黒人のどちらかであり、参加者は迅速さと正確さを要求されながら撃つか撃たないかの選択を繰り返していく。
結果
白人大学生がこの課題を行うと、武器を所持していた男性を彼らが正確に撃つ確率は標的となる白人の時よりも黒人の時に高くなり、また武器を所持していない男性を誤って撃ってしまう確率は標的となる男性が白人の時よりも黒人の時に高くなる。
つまり、狙撃が正確に行われたとしても誤射だったとしても、白人よりも黒人が撃たれやすかった。
事実、『ワシントンポスト』によると、2015年の一年間のデータでは、武器を所持していない黒人が警察官によって射殺される確率は、武器を所持していない白人が射殺される確率の7倍ほどであったようだ。 このバイアスは平等主義を重んじる普通の人にも見られる現象なのだという。