無限と個物
ヴィトゲンシュタインの『哲学的考察』において、「無限と個物」というテーマが出てくる。これは前期から後期へ至る「抽象から具体へ」という大きな流れの一つのステップとして考えられる。そして、無限という観念を我々に与える一つの理由としては「法則」というものもある。それゆえ、抽象と無限と法則は親和性が高い。また、この「個物」というものがヴィトゲンシュタインをかなり惑わしているものであると考えられる。「個物」は思想を後期へ推し進めた重要な要素であろう。さらに、この「無限と個物」というテーマが、ブラウワーの講演から直接影響を受けたテーマであると考えられる。 はじめ.icon