枠物語
物語の中に、さらに物語が埋め込まれているような形の物語形式を「枠物語」という。
ジェフリー・チョーサーの 『カンタベリー物語』(1392)は大部分が韻文で書かれたものであるが、チョーサー自身が語る巡礼の旅の物語の中に、彼を含む巡礼者たちによる二四の物語が内包された枠物語である。 メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』は、ウォルトンの語りの中にフランケンシュタインの語りがあり、その中に怪物の語りが含まれているというように、三重の枠組み構造になっている。いちばん外側を構成しているのは、ウォルトンから姉への手紙である。 リクトー.icon昔の小説ほど枠物語を連発している印象。ドンキホーテとかそればっかりだし。ドンキホーテの場合、土台が誰か別の作者が書いたものを翻訳した体だしね。