条件づけの区分
パヴロフによって発見され、組織的に研究された条件づけは、パヴロフ型とも、またその後の研究の典型となったので古典的条件づけとも呼ばれる。これに対して、スキナーによって組織的に研究された条件づけは、スキナー型とも呼ばれる。このとき、ネズミがレバーを押して餌をとるようになったのは、レバー押しの反応が、報酬を得るための道具(手段)として機能していることから、道具的条件づけとも呼ばれる。この場合、習得的行動としての本質的な違いに注目したとき、パヴロフ型は刺激に応答する(respond)ことが基本になっているのでレスポンデント(respondent)条件づけ、またスキナー型は被験動物が自発的に行動する(operate)ことが基本となっているので、オペラント(operant)条件づけとも呼ばれる。厳密に言えば「古典的」には「道具的」が、「レスポンデント」には「オペラント」という用語が対応する。しかし、本書では慣用にしたがって「古典的」と「オペラント」を対応させて用いることにした。なお、古典的条件づけとオペラント条件づけとでは用語にも違いがあるが、本書では2つの条件づけの共通性に注目して、同じことばを通して用いることにする。(心理学[第五版 補訂版]用語集) パブロフ
古典的条件づけ
刺激に対して応答する条件づけ
スキナー
オペラント条件づけ
被験動物が自発的に行動する条件づけ
つまり、古典的条件づけとオペラント条件づけの違いとは、受動的かという対象者の自発性にある。
ヒトを含む動物が自発する広範な行動が条件づけの対象となり、日常生活の中のいたるところで偶発的に生じている。