方程式と関数
方程式と関数は一見似ている所があります。中学生でも近い時期に学びますからね。
方程式の方は最終的に「x=〇」という形でxの数を明らかにします。この場合、xは変数の見かけをしていますが、実質的には定数なのです。一方の関数の方は、xは文字通り変数で、基本的にはどんな数字でも入ります。関数は「入力と出力」というイメージで捉えるとわかりやすいです。ある数字を入力すると、その式に応じた変形をして出力される。xが入力項で、yが出力項です。このため、一次関数(y=ax+b)は、線形変換と呼ばれる場合もあります。この線形変換を利用したものに、偏差値があります。例えば、数学と国語のテストのような全く別のテストでも偏差値を使うことにより比較が可能になります。これはある個別の点数を、偏差値を出すための式に代入することにより、得点が標準化されたものに変形されて出力されるのです。
このように関数に「入力と出力」のイメージができると、数学のみならず日常の場面を関数のイメージで捉えることが可能となります。例えば、書類(x)をシュレッダー(関数)に入れると、紙片(y)になって出てくるとか、牛乳(x)をソフトクリーム製造機(関数)に入れると、ソフトクリーム(y)になって出てくるとか。
以前、哲学の解釈を関数的にとらえる話をしましたが、これもこういうイメージに基づいているのです。ある哲学のテキスト(x)をある人間(関数)に入れると、別の解釈(y)となって出てくるというお話です。ある哲学のテキスト(x)が同じものであっても、人間が違えば別の関数になるので、出力される解釈(y)も別のものになるということですね。
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