新反動主義
暗黒啓蒙(あんこくけいもう、英語: Dark Enlightenment、ダーク・エンライトメント)、または新反動主義運動(英: Neoreactionary Movement)は、啓蒙主義へのアンチテーゼを自称している、反民主主義的かつ反動的な運動である。支持者の間では新反動(英: Neoreaction)あるいは省略形のNRxとも呼ばれる。この運動は全般的に、平等主義を拒絶し、歴史はより大きな自由と啓蒙への必然的な進歩を示すという見解を否定しており、その意味でこれは「ホイッグ史観」に対するある種の反作用であると言える。 新反動主義運動の推進力の一部は、ニック・ランドの論文「暗黒啓蒙(The Dark Enlightenment)」で示されたように、ピーター・ティールのようなリバタリアンに由来する。同論文は、2009年4月の『Cato Unbound』の議論でリバタリアン思想家が自由と民主主義の両立性についていかに懐疑的な意見を表明したかについて触れている。 ヤーヴィンが望むシステムは、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世時代のプロイセンの官房学(Cameralism)にちなんで、新官房学(neocameralism)と名付けられた。これは、企業が国を所有するシステムであり、その会社はジョイント・ストック・カンパニーとして構成され、利益を最大化するためにCEOによって運営される。 「暗黒啓蒙」の主眼は、近代=啓蒙というプログラムを乗り越えるオルタナティブな形の模索である。
新反動主義は、現在のオルタナ右翼にも影響を与えているとされる。 2010年に、リバタリアン系のブロガー、アーノルド・クリング(Arnold Kling)が、ヤーヴィンとその周辺の論者の思想に新反動主義(Neoreaction)という名前を与えた。 そして2012年に、ニック・ランドの「暗黒啓蒙」がオンライン上で発表される。この哲学者もまた、カーティス・ヤーヴィンの思想から感銘を受けており、「暗黒啓蒙」はヤーヴィンがこれまで断片的に書き連ねてきた思想に体系的なまとまりを与えようとしたものだった。 つまり、ニック・ランドは新反動主義と名づけられたヤーヴィンの思想を体系化した。
その内容は、一言で表すなら、「近代の土台を形成する啓蒙思想の批判と乗り越え、リベラル民主主義に対するオルタナティブとしての一種の君主制と、それを支える都市国家群から成る国家゠企業システム(ヤーヴィンが新官房学と名づけるもの)の構想」である。