年功序列
能力,業績といった貢献度合いを基準とせずに,勤続年数 (年功) を昇進や昇給の判断材料や基準にすること。日本に特徴的な制度 (慣行) といわれるが,通常は単純に勤続年数だけでなく学歴,年齢なども加味される。このような制度が日本で普及したのは,終身雇用制とともに企業への忠誠心を高めようとしたこと,勤続 (経験) 年数を熟練形成の要素とみなしえたこと,過剰労働力を背景に初任給をはじめ若年者の賃金抑制が意図されたことなどと関連している。 1955年頃からの技術革新の急進展,高度成長,産業構造の変動と労働力構成の変化に伴って人事・賃金制度とも年功制から労働の質量に応じたものへの見直しが進んでいる。 年功序列制度のメリット
社員の育成システムが確立しやすい
人事評価がしやすい
年功序列制度のデメリット
社員が目的意識を持ちにくく、生産効率が悪いとされる
社員の高年齢化や社員数の増加に伴い、人件費が高騰
労働意欲や目的意識の高い若手社員が離職しやすい
年功序列制度が崩れてきている理由
終身雇用を維持できない企業の増加
停滞した経済状況の中で市場競争は激化し、コストを下げるために人件費を削減する必要があった
業績が右肩上がりに上昇し続ける見立てがなくなり、年功序列制度自体も現実的ではなくなった
少子高齢化による労働人口の減少
労働力確保が死活問題となった企業は優秀な人材を確保するため、より良い条件と環境を提供するようになる
新卒一括採用だけでは労働力を確保することが難しくなった
ITなどのテクノロジーの進化による業務内容の変化
テクノロジーの発展により、事業のサイクルも早くなり、企業は世の流れに合わせて迅速にに事業を変化させる必要性が出てきた。
必ずしも経験年数が長い人ほど活躍でき、成果が出せるとは言えなくなってきた
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年功序列は戦後の高度経済成長に、労働の安定雇用化や生活を支えてきた制度。 しかし近年、経済環境の変化やIT化、労働力人口の減少などを受け、年功序列を廃止し、成果主義を取り入れる企業も増えてきている。