帰納法と演繹法のわかりやすい(?)説明
独立した考え方ではなく相互に関係するものですが、前提とする情報を求めたい結論によって、どちらの方法を取るかが変わってきます。
まずは帰納法と演繹法の定義を述べます。
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帰納法
複数の具体的な事実を元に、一般的な情報(共通する前提など)を導き出す
演繹法
具体的な事実と一般的な情報を組み合わせて、一つの結論を導き出す
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これだけだとなんのこっちゃなので、具体的な説明のために、ドラゴンボールの孫悟空を例にとります。
悟空は幼少期、おじいちゃんと一緒に山の中で二人暮らしをしており、人の性別という概念を知りませんでした。
ある日、たまたま股間にあるべきものが「ない」人がいることを知り、「ある」人は男性で「ない」人は女性なのだと学びました。
帰納法
人の股間をパンパンしたら「なかった」 具体的な事実
「なかった」人に理由を訊いたら「女性だから」と答えた 具体的な事実
よって、股間に「ない」人は女性である 一般的な情報
このように、複数の具体的な事実を元に、一般的な情報を導き出すのが帰納法になります。
そしてこの件から悟空は、股間をパンパンすることで男女を見分ける(?)ことができると知り、町で知り合った人たちの股間をパンパンして男女の区別をつけるようになります。
演繹法
人の股間をパンパンしたら「なかった」 具体的な事実
股間に「ない」人は女性である 一般的な情報
この人は女性である 具体的な事実
このように、具体的な事実と一般的な情報を組み合わせて一つの結論を導き出すことが演繹法になります。
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説明は以上なのですが、以下蛇足としてこれらの思考方法の注意点を述べます。
まず帰納法ですが、導き出した結論は必ずしも正しいとは限りません。
上記の例では股間に「ない」人は女性であると結論付けていますが、なんらかの事象により股間のものが「ない」男性も存在します。(宦官など)
このように例外となる事実が一つでも入ることで、結論の正しさは揺らいでしまいます。
これを避けるためには、具体的な事実をできる限り多く集めることが大切です。
例えばネットで集めた事実だけを元にして導き出した結論より、テレビ、新聞、雑誌、論文など複数の情報源から集めた事実を元にする方が、結論の信頼性が上がります。
偏った前提情報は、間違った結論を導き出すことがあるのです。
次いで演繹法ですが、こちらも同じように、導き出した結論は必ずしも正しいとは限りません。
集めた情報が正しかったとしても、論理を飛躍させて誤った結論を導いてしまうことがあるからです。 例えば、「黒い鳥がいた」「カラスは黒い」「よってあの鳥はカラスだ」と演繹法を用いたとき、「カラス以外にも黒い鳥はいる」という情報を無視しているため、この結論は誤りとなります。
これを避けるためには、前提とする情報を適切に使用することが大切です。
この例では、「カラスは黒い」という情報だけに頼っていることが誤りの原因なので、それ以外に「顔つきが図鑑で見たカラスと似ている」「カァーと鳴いた」「集団でゴミを漁っていた」などの別の情報を用いたり、あるいは組み合わせることで、結論の信頼性が上がります。
持っている情報を正しく扱うことができないと、間違った結論を導いてしまうことがあるのです。
以上。
参考