人間失格と読みたい太宰治の人生
イタロー.icon太宰治の人生からみた『人間失格』と太宰治から切り離した『人間失格』と切り口がありそう レオ.icon作品≒作者と感じます。他の方の意見だと人間失格 太宰治と3人の女性たちを高評価する声もあったので距離を置いて太宰治を客観視した作品から見る太宰治も面白そうですね。 くま子.icon『斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 外七篇 (文春文庫)』の臼井吉見の解説に興味深いことが書いてます。 code:dazaikaisetu
酒は飲んでも、「斜陽」の直治のように、少しも楽しくなかったにちがいない。それに費消した金は決してわずかではなかったにせよ、妻子に窮迫した生活を強いて家をかえりみなかったというのは伝説にすぎない。彼は、それほど強い男ではなかった。大谷や上原二郎に太宰は自分のある面を仮託してはいる。しかし、それを太宰自身ととりちがえることは、あまりにも素朴な錯覚といわなければならない。
一人称で語られたいわゆる私小説めいた作品においても、太宰は虚構の粉飾を施さずにはおかなかった。太宰治は、骨の髄までの小説家であった。