三島由紀夫の人生の人工性
三島の小説や戯曲にも構成に対する執心が目立っており、時にピタゴラスのいわゆる天球の音楽のように、整然とくみ立てられた構成自体のもたらす音楽的な快感のごときものが、三島作品における文学的魅力の大事な要素をなしていたことを感じさせられる。
「……論理的な斉一、整序に対する三島の偏愛には、彼が意識的に押し立てた美学的理念とのみが受けとりかねる陰影がつきまとっている。
この作家においては、明晰な計算、早熟な開花と、不思議に一貫した宿命の促し、内側の暗い衝動とがたえず共存し、一つにからみ合っているのだ。
「三島由紀夫の生涯には、あたかも緻密に計算され、整然と区分されたかのような人工性と秩序の雰囲気とともに、憑かれた者の逃れ難い宿命の気配がつきまとっている。明晰、明朗な古典主義への意志と、一種物狂いにも似たロマン主義への放恣とが、同居し、からみ合っている。
→三島由紀夫は、1925年生まれ、45年で敗戦を経験し、70年に45歳で命を絶っている。
三島由紀夫の人生とうっせえわ↓
https://youtu.be/_5jIdgNBcOg