三島由紀夫が注目していた西洋の作家
現代西洋文学で、私のもっとも注目する作家は、他ならぬこの
バタイユ
や、
クロソウスキー
や
ゴンブロヴィッチ
であるが、それというのも、これらの文学には、十九世紀を通り越して、十八世紀と二十世紀を直に結ぶような、形而上学と人間の肉体との、なまなましい、又、荒々しい無礼な直結が見られるからであり、
反心理主義
と、
反リアリズム
と、エロティックな
抽象主義
と、直截な象徴技法と、その裏にひそむ宇宙観などの、多くの共通した特徴がみられるからである。
『小説とは何か』
三島由紀夫