三位一体
① キリスト教で、創造主としての父である神と、贖罪(しょくざい)者として世にあらわれた神の子キリストと、両者の一致と交わりとしての聖霊とが、唯一の神の三つの位格(ペルソナ)として現われたものであるとする説。三位はすべて神の現われで、元来一体のものであるとする考え。 ※自由之理(1872)〈中村正直訳〉一「ペーピスト 羅馬教の人 ユニタリアン 独一上帝を信じて、三位一体の説を信ぜざる人 を容ること能はず」
② (比喩的に) 三つのものがひとつになること。三者が心を合わせること。
※ろまんの残党(1947)〈石川達三〉二「エロティシズムと、グロテスクと、ナンセンス〈略〉その三位一体(サンミイッタイ)が作り出す都市の風俗は」
基本的には、キリスト教義において父なる神=子なるキリスト=精霊が神の位格として現れたものであり、これら三位は一体であるとする考えのことだが、派生して比喩的に「三つのものが一つになること」という意味で使われもする。