一流作品は例外なく難解なものと知れ
一流作品は、成熟した人間の爛熟した感情の思想の表現だ。
我々は、同じ事実や理屈を理解するのに、登ってみないと見透しのつかない無数の段階をもっている。
大多数の人は、名作に接し、ある段階に立った理解にすぎないのに、なにもかもわかった顔をしたがる。
再読してなにが見つかるか気にかけない。
そこでこういえる。一流作品は難解だ、しかし難解だというそのことがまたあんまりわかりやすくはない、と。