ルキノ・ヴィスコンティ『ルートヴィヒ』感想
ルートヴィヒ2世は第4代バイエルン国王なんだけど、彼は政治より、神話とか騎士道物語とか文学、芸術、音楽、建築がめっちゃ好きやったンスね。で、王様になったら音楽家のワーグナー(高年俸かつ超浪費家)国に呼ぼうや!ってなって呼んだんだけど、めちゃめちゃお金がかかってしまって、国の財政圧迫させます。ほいで夢だった騎士伝説を具現化すべく、中世風のノイシュヴァンシュタイン城など豪華な建築物を建てたり、フランスのルイ14世の真似をしてヴェルサイユ宮殿を模したヘレンキームゼー城を湖上の島を買い取って建設したり、大トリアノン宮殿を模したリンダーホーフ城を建設したりしたんだね。これも財政をめっちゃ圧迫させます。 従姉であるオーストリア皇后エリーザベト(この人も面白い人なんだけど)に想いを寄せたり、結婚しないで美青年を囲い込んだり、なんか複雑な人間なんだけど結局城に閉じこもりっぱなしで仕事せんから王様降ろされるんよね。まあなんやかんやあるんですけど、彼のその後については伏せておきます。
こういう理由から狂王と呼ばれてるんだけど、市民からは意外と愛されていたらしい(エリーザベトもね)。当時は膨大に浪費させたノイシュヴァンシュタイン城の観光収入で現在のバイエルンの財政は潤ってるらしいし、歴史って面白い。
個人的には貴族でありながら芸術に魂を売ったようなルートヴィヒ2世やエリーザベトには興味があったので、楽しく鑑賞できました。あとこの映画の美術品とかロケーションとかすごくてね。とにかく金と時間がかかったんじゃないかと思われる。大した映画ですよほんとに。