ミケランジェロ・アントニオーニ『赤い砂漠』感想
アントニオーニに色を与えたらすごいことになった作品
https://youtu.be/pMHNRfTPfQE?si=7ZO8nV6QdbEA8rrk
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共産圏のオブジェとか昔の機械デザインとか好きな人は見ると楽しいかも
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私は「ああ〜」「うあー」って感じ
芸術点高し
色彩
相変わらずクローズアップ、ミディアム、ロングショットの表現が神
ロングショットでの人間と建築物のバランス
不安障害
不安と電子音
工業化、公害、疾患的なつながりはこの時代に特徴的なのかもしれない
アントニオーニと日野日出志を接続する人なんていないかもな
まあ、外見上の表現は間違いなく逆だし
船
船も頻繁に出現する
海
霧の中の風景
この映画のなかで、海から声(歌)が聞こえるってのがある
最初、インダストリアルミュージックとこの声が重なる(声と電子音)
終盤、海(自然)と声が重なる
この声はなんなんだろう
イタリアにおける声
イタリアには独特の声があると感じる
これはオペラの系譜もあるのだろうか
アントニオーニにおける孤独
コミュニケーション不全
女性(妻)の不安や精神疾患ってのは、映画のテーマとして頻繁にある
『情事』もそうだった
現代人の孤独や不安を男性監督が女性を主体にして描く時代
そういえばタイトルに砂漠とあるが砂漠は一切出てこない
砂漠ってのは不毛であるとかの比喩だろう
「現実に怖いものがあるけど正体はわからない」って言葉がでてくる
女性、不安、電子音、声のモチーフ
私の嗜好とあわせて完璧である
アントニオーニ、テーマとしては不安や狂気に降りていくんだけど、絵自体は破綻せずに非常に端正であるからそこのバランスが独特の美につながっているところはあるかもしれない
この辺の感じは、アメリカの映画とはまた違う現代まで脈々と続くヨーロッパの端正な文芸映画のひとつの指標になってるんとちゃうか
芸術点が高いが、映画の展開としては少し退屈かもしれない
この辺は、『情事』のほうが鑑賞しやすい