トレード本を語る
ここでは自分が読んできたトレード本について、自分がその本を取った理由と読んだ結果どうだったのかを中心に語ろうと思う。
『FXチャートリーディングブック』
これが記念すべき1冊目である。まずは何でもいいから、1冊手に入れようという思いがあったと思う。この本はポイント利用で実質無料で手に入れることができた。FXとあるが、自分は当時まだFXをやっておらず、個別株をするためにまずはチャートを読めるようになろうと思い、この本を手にした。「チャートリーディング」という用語に惹かれて、つまりローソク足の動きだけで、何かがわかるようなそういうものを期待していたのだと思う。
ちなみにローソク足は日本人の発明で、いまや世界のトレーダーが使っている。外国の人もそのままローソク足と呼んだり、「candle~」という場合もあるかもしれない。ローソク足は、その一本だけで、始値と終値、高値と安値の全てがわかるという超絶優れモノなのである。ローソク足を重視する人をチャーチストと呼んだりもする。
だが、本を開いてみると、ローソク足だけではなく、けっこうインジケータ―の説明もしてたりして、自分が予期していたものとは少し違ったというのはある。自分は今でもあまりインジケータ―は使う気が無く、なるべくローソク足の動きや波の動きそのものに習熟したいなという傾向がある。ただ、「プライスアクション」という分野があり、自分が求めていたのはそれだったのだなということに後からわかることとなる。この本は、FXを始めた後にもう一度読み返してみると新たな発見があるかもしれない、とも思っている。
『ザ・トレーディング』
この本が2冊目になる。この当時求めていたものは、心理学でいう所の「ヒルガードの心理学」のような教科書的な本、つまり網羅的でトレードの全貌を知れるような、ピラミッドの最下部を作れるような、スタンダードな本を求めていた。「ザ・トレーディング」という言葉はまさにそれを期待させるようなタイトルである。本来であれば、一冊目にこのような本を求めるべきなのかもしれないが、一冊目の時点では、「まずはチャートを読めることが一番の優先事項だ」という意識があったように思われる。一冊目を経ることで、余裕というか心境の変化があり、より網羅的にという意識になったのであろう。
著者のエルダー氏は、異色の経歴の持ち主で、トレーダーであり精神分析家でもある。祖国からアメリカに亡命して、トレーディングを始めている。当時、船医をしていた船が旅の途中、港に係留しているときに船から脱走して、亡命するというすごいエピソードがある。精神分析家であるというのも自分が惹かれた一因でもあり、文章中にもそれっぽい比喩が出てくることもある。元々『投資苑』という本が123とシリーズで出ており、この本もタイトルからわかるように投資についての事典のような本であるが、その1作目に新たに書き直しを追加して再出版されたのが、この『ザ・トレーディング』になる。