デヴィッド・クローネンバーグ『ファイヤーボール』感想
原題は『Fast Company』
https://youtu.be/G1lREAiBTBA?si=dWUBwVc269f2VIZ1
グロテスクな生物やホラーやバイオレンスに定評があるクローネンバーグがこんな映画を撮っていたこと自体驚きである
映画用になんだかアメリカンロックな曲も用意しちゃったりしちゃって元気いっぱいである
ざっくり言うとレースという純粋な夢を追ったレーサーたちが巨大資本に飲み込まれた窮屈な現状を打破するみたいな映画なんですけど、まあそういう向きで見たらいい映画なんですが、クローネンバーグの映画なのでなんだか暗い見方をすると、この映画は車に翻弄されて死んだりするってことですかね。ラストとかね、無茶苦茶な展開なんですが、結構残酷というか。それでハッピーエンド的に終わらすところが逆に狂気を感じたりするんですが。クローネンバーグは車が好きみたいなんですがその車の整備とかそういうシーンがあってその描き方にフェティシズムを感じたりするんですが、よく考えたら車のシーンとエッチなシーンが交錯したりね、そういうのもあった気もする。車とそもそも機械と人間の融合とか機械また工業化がもたらした文明に翻弄される人間というかね、そういうの好きなんですよ、たぶん。まあクローネンバーグさんがこの映画をどういう流れで撮ったのか知りませんので、まだまだ名声を得てない時期の映画だし単純にこういうやつ撮ってよって感じで撮ったのかもしれんし。こういう映画に対してまでそういった考え方持ってくるのは、まあ考えすぎかもしれませんな。