タフォノミー
生物の遺骸が生物圏から岩石圏へと移り変っていく過程の研究。 I.A.エフレーモフが1940年に提唱したもので,ギリシア語のタフォ (埋没) とノミー (法則) の合成語。したがってこの言葉には (1) 生物の死体が腐って分解していく過程 (ネクロリシス) ,(2) 遺骸が運搬され堆積物の中に埋まる過程 (バイオストラティノミー) ,(3) 堆積物中に埋もれたのちの遺骸の物理・化学的変質の過程 (続成作用,ダイアジェネシス) ,という化石化作用のあらゆる面が包括されている。研究には,現生生物の遺骸や,きわめて保存のよい化石を用いて化石化の開始段階を調べる方向と,絶滅生物などの化石に焦点を当て,実際の産状から化石化のメカニズムを探る方向がある。