ジェームズ=ランゲ説
《James-Lange theory》アメリカの心理学者ジェームズ(W.James)とデンマークの心理学者ランゲ(C.Lange)とによって、1884~1885年の同じころ唱えられた情動の本質についての説。刺激→情動→身体変化ではなく、刺激→身体変化→情動という道筋を考えたもの。「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しい」という表現で象徴されている。 この主な情動の起源を、自律的反応を含む身体的反応に求める説(情動の抹消起源説)を、ジェームズ=ランゲ説と呼ぶ。 また、ジェイムズ=ランゲ説もあながち荒唐無稽とは言えない。被験者に特定の表情(微笑みまたはしかめ面)を作らせて数秒間持続させると、微笑みのときはより愉快に、しかめ面のときはより腹立たしく感じる。すなわち表情変化と情動の体験とが関連している可能性を示す研究も提出されている(Levenson et al.,1990)、らしい。
アランの『幸福論』にも似たようなことが書かれており、「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」「病気には幸福が最良の武器である」といった名言を残している。