シュメール
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シュメール:Šumeruは、メソポタミア:Mesopotamiaに興った最古の都市文明である。
なお専門家の中には「シュメル」と呼ぶ人もいる(表記ゆれ)。本などを探す場合は注意。
メソポタミアというのはギリシア語で「(複数の)川のあいだ」という意味で、すなわちチグリス川とユーフラテス川の間、現在のイラクの一部に当たる地域のことである。
古代メソポタミア文明は、数多の民族によって勃興し受け継がれていったが、その最初期の担い手であり、文明発展の中心だったのは他でもないシュメール人:Sumerianなのである。
メソポタミア
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メソポタミアは大きく2つの地方に分けられる。
北部はギリシャ語で「アッシュルの土地」を意味するアッシリア、南部が「バビロンの土地」を意味するバビロニアである。
バビロニアはチグリス・ユーフラテス両河が押し流してきた泥土が堆積してできた平野で、頻繁にしかも突然に洪水に襲われた土地である。
バビロニアはさらに北部をアッカド、南部をシュメールといった。
シュメールという地名はアッカド語で、シュメール語ではキエンギというが、この語の意味はわからない。
シュメール人とは
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シュメール人は謎の民族である。シュメール語は膠着語(日本語の「てにをは」のような接辞を持つ言語)に属すが、シュメール語に近い古代オリエント世界の言語は確認されず、シュメール人はどこからやってきたかわからない。民族系統不詳なのである。
ページ上部の画像などに代表されるシュメールの人体像は祈願者の像あるいは礼拝者像と呼ばれている。
世俗の人間は忙しく、神殿にばかり出かけることはできない。そこで人間に代わって神に祈願する石像を作った。
これらの石像はシュメール美術の代表である。
シュメール都市国家興亡史
紀元前3500年頃
メソポタミア南部の人口が急激に増え、神殿を中心に数多くの大村落が形成された。
紀元前3000年頃
大村落はやがて都市へと発展した。
紀元前2700年頃
ウル・ウルクなどの都市国家が形成された。
紀元前24世紀
絶え間ない戦争に都市国家は衰退し、セム語系のアッカド人に征服された。
シュメール人の都市国家について
シュメール人の各都市国家(ウル:Ur・ウルク:Uruk・ラガシュ:Lagashなど)は大規模な治水や感慨によって生産を高め、交易を通じて必要物資を入手し、互いに競い合う状態が生まれた。その結果、優勢な都市国家の支配層には莫大な富が集まり、壮大な神殿・宮殿・王墓が作られて、豪華なシュメール文化が栄えた。
しかし都市間に繰り返された覇権をめぐる戦争に加えて、メソポタミアは開放的な地形であったため周辺の遊牧民や山岳民の侵入を受けて、勢力が衰え、アッカド人に征服されることとなる。
各都市は周囲を城壁で囲み、中心部にはジッグラト:zigguratのそびえる守護神を祀る神殿があった。都市はこの神が支配すると考えられ、最高の神官を兼ねた王が神の名の元に神権政治を行った。
神殿の外側に人々の居住区があり、ウル市から前2000年紀前半の居住区が発見されたが、雑然としていて都市計画があったとは到底考えられない。住宅は中庭に面して部屋を配置する現在の西アジアで採用されている住居と同様である。
ジッグラト
シュメール起源でバビロニアでも多く建設された聖塔。旧約聖書のバベルの塔の伝説の元になったと考えられる。
ジッグラドはアッカド語でシュメール語ではウニルという。
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ギルガメシュ叙事詩
ウルクの王ギルガメッシュ:Gilgameshを主人公とする叙事詩。
シュメール人が断片的に残したギルガメシュ神話をアッカド人が見事にまとめあげたもの。
シュメールのギルガメシュ神話は「大洪水物語断片」を含めても、5、6点残されているに過ぎない。
両河の間の河口付近に居住していたシュメール人は洪水によく悩まされ、洪水伝説が生まれたのだろう。
その他シュメールについて
奴隷がいた社会だった
シュメール社会は身分制社会であり、奴隷がいた。
個人の家で働く家内奴隷と、神殿や宮殿などに所属する公的奴隷があり、その出自は4つに分類できる。
市民が債務を負った結果として奴隷に落ちた「債務奴隷」
犯罪を犯した罰として奴隷に落ちた「犯罪奴隷」
外国から商人によって買われた「商人奴隷」
戦争に敗北したために奴隷にされた「捕虜奴隷」
戦争捕虜の男性は反乱を起こすことを恐れて殺され、女性は捕虜として敵国に連れて行かれたが、その女性に男の子がいた場合、その子は反乱や逃亡することを防ぐため去勢された。
ウルナンム「法典」
シュメール学者クレーマーは現存する最古の法典が『ウルナンム「法典」』であることを発表した。なぜ法典がカギカッコ付きかというと法典を「序文、本文および跋文で構成され、立法の意義も明記されている法集成」と定義すると「法典」と呼ぶには問題があったためである。シュメール人の社会では「やられたらやりかえせ」式の「同害復讐法」は採用していなかった。傷害罪は賠償で償われるべきつまり銀を量って支払うとの考え方が採用されていた。
奴隷の結婚
ウルナンム「法典」には男性奴隷と自由身分の女性の結婚は可能だと書かれている。このことは自由民と奴隷との境界が曖昧な社会であったことを表している。
シュメール人の神話
※執筆予定(執筆歓迎)
シュメール人のすごいところ(追記希望)
世界で最初の文字である楔形文字を作った
最強の耐久力を誇るメディア「粘土板」を発明した
六十進法を発明してる
車輪、発明してる
多分、太陰暦発明してる
ハンコを発明した
ビールはシュメールで生まれた
ビールのことわざ(byシュメール人)
ビールを飲みすぎる者は水ばかり飲むことになる
楽しくなること、それはビールである。嫌なこと、それは軍事遠征である。
参考ページ
参考文献
メソポタミアの神話 矢島文夫(ちくま学芸文庫)
改訂版 詳説世界史B (山川出版社)
改訂版 詳説世界史研究 (山川出版社)
シュメルー人類最古の文明 小林登志子(中公新書)
SHUNASHUNA.icon 加筆大歓迎なんだな