シャドウ・ワーク
賃労働の陰の仕事。
専業主婦などの家事労働など報酬を受けない仕事のことだが、誰かが賃労働をすることのできる生活の基盤を維持するために不可欠なもの。妊娠出産、子育てなどの再生産労働をこれに含ませる。
炊事や掃除、洗濯、育児や老人の世話等々の、家庭内でしか意味をもたない私的労働はシャドウ・ワークに含まれる。
近代の産業化の過程で、女性たちは農産物や職人的製品を生産する労働からは免除され、家庭内のこういった仕事に集中させられていく。つまり、主婦の仕事が生活を陰から支える補助的な作業に縮減させられてしまう。
これをイヴァン・イリイチは「シャドウ・ワーク」と呼んだ。
参考:鷲田清一『だれのための仕事 労働vs余暇を超えて』