キムタクの服装と髪型の話
価格の話に戻ると、若者のブランドの価格は根拠がないというのがあって、元来のハイブランドのヴィトンとかエルメスとかの価格って一応根拠はあるんだよね。いい革を使ってるとか、職人が作ってるとかさ。もちろんそこにブランド料っていうのは課されるんだけど。若者のブランドって別に高級な素材とかではなくて、普通の素材でさ、なんならユニクロの方がよほどいいもの使ってたりして。ちなみに当時はまだ今ほどユニクロは力はなかったんだけどね。じゃなんでそんな高価にできるかっていうと、それで買う人ができちゃったんだよね。その最たるものって、ナンバーナインのパーカーがあってさ。ほんとに素材としてはごく普通のパーカーが10万円位したんだよね。なんでそんなことが可能だったかって、キムタクが着てたからなんだよね。その影響で10万払ってでも買う人がいてしまったということ。ただキムタクに選んでもらったという所のデザイン性とかで、やはりナンバーナインの優位性があったのは事実なんだけど、それでもバブリーだよなと思う。あとTMTとかね、キムタクが着てて流行ったブランド。
TMTはこういう感じで、写真にあるように「TMT YOURS」っていうのがお決まりのロゴで、これをTシャツとかパーカとか色々と回していたという感じだね。
これをキムタクが着ていたもんだからブームになって、ギャル男もけっこう着てたりしたんだけど、TMT自体は決してギャル男専門のブランドだったわけではないんだよね。
例えばこんな感じの髪型とかって、千葉雅也もしてたような感じだけど、キムタクとは全く無関係なんだよね。
ちなみにこの時って、ホストとギャル男の境界線が無くなっていたという現象があって、ホストは皆ギャル男ヘアーしてたね。
今のホストって、時代がそうだというのもあるんだけど、もっとすっきりとしたスタイルになってるよね。
若い時にガンガンギャル男時代があって、さすがに年取ってきたから続けられない、でもそれなりにギラギラはしていたいというような人たちはキムタクを参考してた人は多かったかもね。落ち着いたギャル男みたいな。
キムタクと言えばロン毛だけどさ、その中でもバリエーションがあって、一時期メンノン寄りというかモード寄りというかこんな感じでシンプルな黒いロン毛の時期もあったんだよね。栗原類みたいなね。このままヨーロッパのコレクションも出れそうな感じの。
これはビューティフルライフの時のキムタクだけど、見るからにギャル男感があるよね。これをギャル男が真似したから結果的にギャル男みたく見えちゃうんだけど。決してキムタクがギャル男を意識しているわけではない。このベクトル関係ははっきりさせとかないとね。笑 この頃のキムタクがギャル男に与えた影響が強いかなと思う。服も古着メインだしね。
後はこのプライドの時のメッシュね。これもかなりギャル男への影響は強かったと思う。
ちなみに先に挙げたメンズノンノのやつはギャル男に影響を与えていないときの例ね。
だからいわゆる「アムラー」とかはさ、安室奈美恵を真似するのがアイデンティティになってるわけなんだけど、ギャル男とキムタクの関係性はそうではないんだよね。一方で、ひたすらキムタクをコピーするのが目的のアムラーのキムタク版みたいな人たちも、ギャル男とは別カテゴリーで一定数いたとは思うんだよね。違いが外からは判別しにくい時もあると思うけど。そういう人たちは、キムタクがモード寄りになっても真似するしかないよね。ギャル男はそうではないけども。だってギャル男がモードやっちゃったらそれはもうギャル男ではないわけじゃん。ギラギラしてないと意味が無いわけだからさ。
ヒーローの時の茶色いダウンジャケットが流行るみたいのもあったけどさ。これはより一般的な現象だったけどね。