ウィトゲンシュタインの幸福論について
ウィトゲンシュタインの幸福論(「生の問題」)に興味があるが、その問題をメインで取り上げてる(日本語で読める)資料はおそらくあまりない(と思う)。 これくらいしか知らない
というのも、こういう問題はウィトゲンシュタインにとってはいわゆる「語りえぬもの」に属するものであり、ウィトゲンシュタイン自身が理論として語ることがなく、研究対象にしづらいのだと思う。(『論考』でも「生の問題は解消されるしかない」とか言ってた気がする。)しかし、ウィトゲンシュタインが「自分は何のために生きるのか」とか「生の意義」とかに並々ならぬ関心を持っていたことは間違いなく、しかも日記や伝記を読むと彼自身はこの問題をある程度解決(解消?)できたらしい。
一説によると、その転機は第一次世界大戦中に起きたとされている。彼は自ら志願して前線に近いところに赴き、砲弾飛び交う戦場で、生きたいという抗いがたく強い欲求が自分の中にあることを自覚し、それ以降「生の意義」を疑うことはなかったという(他にもトルストイ『要約福音書』のキリスト教観からの影響もあるが)。 (というわりには、後に親友だったピンセントが戦死したことを知って自殺の危機に陥ったりいまいち安定しない)
しかし問題は、もし以上のことが正しいとしたらこの解決法を自分に当てはめるのは難しいということだ。当然自分は戦場に行く気はない。どうしようか。