アキ・カウリスマキの映画について
1986年の映画
https://gyazo.com/4f3c28e3f119dffda01209fcb3580e41
カウリスマキの映画に出てくる人々は基本的に寡黙で無表情で不器用で眉間にしわを寄せて低賃金で労働してるような人々が多い。文章で書くと何か暗い映画であるように思われるが、滑稽でユーモラスな謎の空気感が充満しており、見てると全然暗い気持ちにならない。カウリスマキの映画を見ると、むしろ明日も生きていこうという気持ちになる。登場人物たちは寡黙であるが、その気持ちを目やアクションで表現する。そのアクションが非常に素朴で愛おしい。ざっくり言うとすごく映画的な映画である。
https://youtu.be/ghuSkyWcmqg
上の動画を見て気になるのは、主人公がレコードやテレビ、VHSなど様々な媒体に触れたりするシーンがあるところだ。
これは理由はよくわからないが、結構気になった。登場人物は無表情、反復的な生活故に機械的であるというメタファーとも言うことができると思うが、そのシーン全体を見たときに無機質な感覚は生まれてこない。(ちなみに最終的にはこの反復的な生活から逸脱する)
それは置いておいてカウリスマキのひとつひとつのショットは非常に凝っている(人物と他の物体との配置など)ので、一見の価値がある。