『鏡子の家』
三島由紀夫の長編小説
1959年
三島が精魂込めて書き上げた大作だが、文壇からの評価は厳しかった
主人公は鏡子と彼女の家に集う四人の男たちだが、いわゆる群像劇というよりは、それぞれの主人公たちの関係があまり交錯しないという特徴がある
四人の男は、世界の破滅を願う有能サラリーマン、美男子の俳優、ボクサー、画家という、三島のペルソナを分割したともいえるようなキャラクターとなっている
また、当時の風俗や時代状況を極めてニヒリスティックに描いた筆致も特徴である
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