『渦動と天秤』
1968年刊行
内容
Ⅰ
黒いランプ
自閉の季節――知識人の栄光と堕落――
Ⅱ
論理と詩の婚姻について――真継伸彦氏への返事――
文学は何をなし得るか
批評不信の底にあるもの
「自己批評」について
Ⅲ ドストエフスキイ――その生涯と作品――
第一章 成長する作家
第二章 幼年時代の魂の形成
第三章 青年時代の精神の形成――『貧しき人々』――
第四章 ペトラシェフスキイ事件、シベリア、『死の家の記録』
第五章 苦悩の準備期
第六章 作家の変貌
第七章 『罪と罰』
第八章 『白痴』
第九章 『悪霊』
第十章 『カラマーゾフの兄弟』
第十一章 ドストエフスキイの位置
Ⅳ
外と上からの解放――『パリは燃えているか』――
事物の変化の瞬間――『忍者武芸帳』――
魂の二重性――『マドモアゼル』――
悪徳と美徳の組合せ――『アルジェの戦い』――
巨大な無関係――『欲望』――
苦渋の勝利――『審判』――
白夜のなかの表情
政治における共感の難しさ――『戦争は終った』――
真実の多面性
映画と国家意識
暗黒の一体感
フォークナーの映画
飢えのなかの鶏
Ⅴ
無言旅行
安吾と雄高警部
辻邦夫のこと
立原正秋の印象
存在のどんでん返し
栗田勇のコレスポンダンス
石堂淑朗のこと
女のいる風景――南良太郎についての断片――
うちの先祖
あとがき