『死に至る病』
アンティ・クリマクス著 セーレン・キルケゴール編
アンティ・クリマクスとはキルケゴールの仮名著者の一人。彼と対になる「ヨハネス・クリマクス」が「信仰への上り階段」なら、彼は「信仰への下り階段(躓き)」。ヨハネス・クリマクスが信仰の一歩手前まで思弁によって近づくならば、アンティ・クリマクスは思弁の後退する場所の信仰を示す。 この著作はキルケゴールの著作の中でも後期の作品。序文においてキルケゴールは「論文としては教化的であり、教化の書としては論文的」と述べる。その通り、これはあくまで「キリスト教の教化」のための書物であり、その準備として「心理学的考察」、つまり絶望の分析が行われている。
恐らく第2部の「絶望は罪である」というところが本筋?