『外套』読書会で挙げられた意見
バートルビーとかベラックワとかヴヴァルとペキュシエみたいな、不条理で超俗的な貧者みたいなのが第一印象だったんだけど、10コペイカ銀貨で人を丸め込むとか、9等官らしい俗悪さが見え隠れして、段々それに支配されていくという印象だった。分不相応な外套を失くしてからのほうが、その階級の典型的な人物にはめこまれていったというか。
アカーキイ・アカーキエウィチという名前
アカーキイ・アカーキエウィチという名前の付け方
アカーキイ・アカーキエウィチは自ら望んで現在の位置にいるのではないか
アカーキイ・アカーキエウィチ自業自得説
幽霊については関心を持てない
ゴーゴリは他にも『ヴィイ』などの妖怪ものを書いている アカーキイ・アカーキエウィチの怨恨が幽霊になった
いや、むしろ幽霊は一時的にアカーキイの形をとっただけではないか(アカーキイに同定されたのはほんの数日)
「アカーキーの怨念」と、「古い霊というよりゴーゴリのペテルブルク的な不条理小説のような階級社会に棲むもの」は別ではなくて、ひとときアカーキーの念の姿をとって、墨汁が池に溶けて透明になるように集合的な霊に還元されていった 流行り神がやがて本地とされるもっとポピュラーな神の垂迹だとされるみたいな
つまり、菊花の約は生前果たせなかった事を成し遂げるためにでてきて、果たして成仏するパターンだけど (『外套』では)生前と同じパターンを死後もなぞってしまうパターンの霊ですね。 全体的に見るとこの社会は全く冷たくはないなと思った。
追剥も幽霊も手がでかい
現代にも通じる
寒いなら、ズボンを豪華にしなかったのなんでだ!
粋なら、シャツを豪華にせよ!
父からの名前を継承している
いい職場かも?
自分で今の立場を選択してるんじゃないか
アカーキーが位置をえらんでる
なぜそんなアカーキーが外套に惹かれたのか
今日では総じて自分一個が侮辱されても、なんぞやその社会全体が侮辱されでもしたように思いこむ癖がある。
本文に即して書くなら「国家じゃない、閣下でしょう」みたいになるか
この逆とは
革命前の陰鬱なロシアの風景が垣間見れて良い体験となりました。