『変身』の「虫」
グロテスクなものとして特別扱いされている動物といえば蛇、梟、蛙、蜘蛛など――夜行性動物と爬行獣類である。人間には近づきがたい他の秩序に生きているからだ。さらに、すべての有害小動物(ウンゲツィーファ) Ungerziefer がグロテスクなものにふさわしい。一部は確かに同じ理由によるが、加うるにその起原がはっきりしないからでもある。しかし、もう忘られているにもかかわらず、あたかもそのことばの根源的意味がまだ生きているかのようである。 zebar (ziefer の古高ドイツ語)は古高ドイツ語で犠牲の動物を意味する。それゆえ有害小動物は、不潔で犠牲に適しないすべての動物を意味するわけである。それは神のものではなく、悪魔のものである。