『城』とゴドー
『城』と『ゴドーを待ちながら』は何かを求めるという点で共通性がある。
単純にいえば『城』は城、『ゴドー』はゴドーを求める。
対照的な面としては、城の主人公はKひとりであり、動きまわり、ゴドーの主人公は二人であり、その場を離れない。
『城』にはビュルゲルという悲喜劇的でメタな(小説の構造をむきだしにする)キャラクターが登場する。
『ゴドー』にも男の子が登場して、ゴドーの存在と到来を示唆するが、これはメカニズムの露出を意味している(ポッツォとラッキーもそうである)。
『城』のメカニズムを徹底的に露わにしたのが『ゴドー』である。
ちなみにベケットは『城』を途中まで読んで読むのをやめている。