『可能性感覚』
大川勇
著
松籟社
内容説明
ムージル
と
ライプニッツ
(
ライブニッツ
)/
ヴェラス
/
カント
/
メルシエ
/
シュナーベル
/
ヴィーラント
/
ラスヴィッツ
/
カネッティ
/
マッハ
/
マイノング
/
バッハマン
/
マイハイム
…いまだ生まれざる別の現代への扉を開く
越境
者たち。現代の生はこの感覚を見失ってはいまいか。可能性感覚―現実という固定した枠組みからの
超出
をうながす意識・思考。
目次
第1章
可能性感覚
の射程
第2章 可能世界論の情景
第3章 可能的世界の夢
第4章 世界の複数性
第5章 反転する世界
第6章 可能性感覚の誕生
第7章 可能性感覚と現実感覚
第8章 可能性感覚と
ユートピア
2章は、ライプニッツが中心。
アントワーヌ・アルノー
との論争(
仮定的必然
と
絶対的必然
を巡って神とアダムを引き合いにだしたりする)や、
スピノザ
との相違、
ヴォルテール
による風刺、「
すべての可能的なものは存在を要求する
」といったテーゼから導き出される、存在に向かって進む無数の可能性というヴィジョンが
トーマス・パヴェル
やムージルなどの文学者に与えたインスピレーションについて書かれている。なぜムージルがライプニッツの用語をそのまま使うことをしなかったのかについての考察もある。
『弁神論』
でライプニッツが描いた寓話の話がとても魅力的(p68~)これが文学に接続するのはわかる