『ムージル伝記3』
1931~死後まで
オビ文
『特性のない男』という鏡に映った激動の時代の絵巻!
反戦・反ファシズムと文化の擁護を目指したパリ国際作家会議では孤立し、ナチスからは禁書とされ、亡命を余儀なくされるムージル。それに対して長編の完成を願ってベルリンやウィーンで「ムージル協会」が設立され、トーマス・マンやブロッホらの懸命の救援活動が続く。「作家以上のもの、あるいはまた同様に、作家とはまったく違う何か別のもの」とも称されたムージルの《真正さ》を保つ精神の最後の光がここにある。『特性のない男』の刊行からその死までを描く完結編。詳細な「年譜および居住・滞在の軌跡」を付す。