「影響を与える」とはどういうことなのか
そもそも、この問いの形式について
「影響を与える」という一般化可能な機能がどこかにあるわけではないのではないか
言い換え案
例えば
ピン留めが多くなると起こる現象が起こる原因は、現在、ピン留めを小さなパネルにするUserCSSの影響によるものだと考えられている。この場合の「影響による」は、その現象の〈原因〉がそのUserCSSだという意味である。したがって、その現象を解消しようとした場合、「では、あのUserCSSを解除しましょう」と提案することはおかしくない。この例では、〈システムの不具合の原因であること〉が「影響を与える」ということの意味である。 Discordを検索して出てきたメッセージを少し改変して例としてみる
「集中力を制御できると勉強に良い影響がある」
言いかえれば「集中力の制御をマスターすることは勉強する人の勉強活動に良い影響を与える」
これは単純な原因と結果の関係ではない。
〈システム面での原因であること〉とは異なる
というのも
集中力の制御をマスターしたからといって、そくざにテストの点数が良くなるわけではない
例えば、集中力の制御をマスターした人が、ぜんぜん勉強のやる気を持たない場合、その甲斐はない
勉強しはじめても長く続かない人が「もしも私にもっと集中力があれば、こんな風に途中で飽きて勉強を中断しないだろうに」と言うことはできる。
「影響を受ける」は「真似をする」でもある
「影響を与える」は「真似させる」か?
「他の人が真似をするきっかけを提供した」とは言えるかもしれない」
例:YouTuberの話し方がカッコいいと思って自分も真似する→「そのYouTuberの影響を受けた話し方」 真似をしたのは受容者であって、そこにYouTuberの作為は無い
声質が全く違うYouTuberの話し方から影響を受けるだろうか?
この問いは「声質という「質料因」的なものを無視していいのか?」という問いを孕む。 例:好きなYouTuberが関西弁の場合、自分がふだん標準語を喋っている場合、その人を真似るということは、それ以前にまず関西弁をマスターするということを意味する。だが、自分がふだんから関西弁を話している場合であれば、そこからのアレンジで済む。 〈意図的に真似すること〉と〈似てきてしまうこと〉
意図的に真似するとは、似るように練習すること、研究すること
似てきてしまうとは、知らないうちに似た仕草をするようになること