「アプリオリな判断」と「分析判断」の違い
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「アプリオリ」と「分析判断」はどう違うか。これについても一言だけ自分の理解を述べると、『純理』においては、「分析判断」であればそれはアプリオリな判断でもあるが、アプリオリだからといって「分析判断」であるとは限らない。カントが『純理』において最も重視した(とされる)「アプリオリな綜合判断」が存在するからである。 つまり判断には以下のように分類できる。(ページ数は平凡社ライブラリー版『純粋理性批判』のもの)
アプリオリかつ分析的な判断……ex. 「物体は拡がりをもつ」(p. 100)
アプリオリかつ綜合的な判断……数学とか物理学の命題。ex. 「直線は二点間の最短距離である」(p. 112)
アポステオリかつ綜合的な判断……ex. 「物体は重さをもつ」(p. 103)
「分析判断」であれば「アプリオリ」であるから、「アポステリオリかつ分析的な判断」は存在しない(p. 101)