CPUの歴史
intelの時代
「intel、入っている」のCMで有名な通り、しばらくはintelの天下だった。
この時期のintelの主力CPUは「Pentium」。当時(1993年ごろ?)は「高性能CPU」の代名詞として呼ばれた。
この情勢に一時期新鋭AMDが切り込む。
だいたい2005年ごろまでPentiumの性能が良かったので、AMDの存在も地味だった。
しかし2005年に近づくに従ってCPUの速度(周波数)が頭打ちに。
速度を上げれば上げるほど消費電力が増え、熱が増えた。冷却性能を超えるようだと安定した動作ができない。
AMDは現代に続く「マルチコア」路線に踏み切る。要するに一つのCPUを分割して同時に複数の仕事をやらせるすごいアイデア。
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同時にたくさんの仕事ができる。実際すごい。
他方、intelは「まだ使える」の精神でシングルコア性能を引き上げようと試行錯誤する。
最終的にたくさん仕事ができるAMDが一時期リード、AMDのAthlonがPentiumを引き離す事態に。
しかしこれはアイデア勝負。intelもマルチコア性能を高めてAMDに追いつく。やはり世の中金……
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その後もintelの時代は続き、マイナーなAMDはOSが対応しない(マイクロソフトの対応が雑)、ゲーム会社が対応しないなど「AMDはマニア向け」と言われ続けた……
AMDの時代
2019年、AMDが新世代CPU「Ryzen」の最新版「Zen2」を発表する。
同時期のintelのCPU「Core i」シリーズを上回るカタログスペックに「飛ばしでは」との反応も聞かれたほど。
しかし性能は前評判通りだった。Core iシリーズの最高峰Core i-9900KとRyzenの真ん中ぐらいの3700Xがいい勝負になるほど。
しかも値段差は倍ぐらい。i9-9900Kが8-9万円するのに3700Xが4-5万と価格感覚を破壊される事態に。
更にRyzenの最高峰3950Xは9万円程度でintelの業務用CPU(20万台)に迫る性能を叩き出す。
この「Zen2」の発売時は秋葉原はお祭り騒ぎに。Zen2を求めてさまようPCオタクの姿が散見された。
そして悲しいことにこの状況はちょっと変わりそうにない。
intelも巻き返しを図るが、AMDのこのよくわかんない性能は数年単位の研究と最適化の結果。intelが追いつくためにはAMDと同じ程度の努力をしなければいけない……
またAMDの努力には「低価格化」もある。AMDは安く、しかも大量にCPUを作れるように規格を変えてきたが、intelはこの部分の研究が立ち遅れている。
Zen2に対抗するはずのintelの新CPU「Coffee Lake Refresh(i-10000代)」はZen2に対抗できる性能ではなかった。今までintelを支持してきたITmediaも「もうAMDでいいんじゃないかな」と宣言する始末。
この勢いに押され、まずWindowsがAMDのCPUに最適化、突然AMDでWindowsがキビキビ動くようになる。
他、ゲーム会社もAMDでの動作確認をしてサポートする報告がちらほら。「CPUはAMD一択」というすごい時代に
Ryzen3500が出て真面目に終戦モードに。1.5万円程度でintelの高価格帯(4-5万?)CPUに食い込む性能。
2020年現在、PCオタクならAMDを勧めるだろう。intelのCPUでも実用には困らないのだが、消費電力と価格を考えると、intelを勧めるのは難しい状況が続いている……
参考記事