2024/07/06 モーセメモ
p74
文学的な作為……この場合、おそらく予定調和的なつじつま合わせ、肯定的な方向への歪曲ということだろうイタロー.icon
p75
旧約六書(「モーセ五書およびヨシュア記」)
ヤハウェの祭司(J)とエロヒムの祭司(E)
紀元前722年以後に或るユダヤの祭司が統一・加筆した(JE)
捕囚~帰還してからのときに、「祭司資料」として書き直される。
p76
エリアス・アウエルバッハ(1881~1971)、『荒野と約束の地』
註****:ユダヤ人の固定化はエズラとネヘミヤによる改革の結果だと言われている。捕囚ののち、ペルシャの支配下で。
民族全体の聖化。周囲の民族からの分離。祭司資料の修正が完了。以前からの流れを受容し確実にした。
アルファベット。
p77
「原典の歪曲には殺人に似たものがある。難しいのは殺人を行うことではなく、犯行の痕跡を消し去ることなのだ」
外観を変えるだけでなく、別の場所に移し置く
日本語の「歪める」もそう久住哲.icon
切り離されたものが、別の場所に隠されているはずだ。
p78
モーセ、ヤハウェについての伝承は歪曲された。
p79
割礼をないがしろにしたので、ヤハウェの怒りをかったという文章。
太祖の時代の神の名乗り。
p80
神のアブラハムへの割礼の要求。
p81
「ある神がそれまでとは別の民族を選択するなどという話は聞いたことがない」
「モーセこそがユダヤの民のなかに身を落とし、彼らをモーセの民族としたのだ。ユダヤ民族はモーセによって「選ばれた民族」だったのだ」
p83
「祭司資料」時代に、ヤハウェ教は根源的なモーセ教と調和し合うようにされ、同一のものとされた。
p84
(7)
モーセに一神教をおしつけられた民は耐えきれずモーセを殺害した。
p85
「荒野のさすらい」、「黄金の子牛」
p86
カデシュにおける諸部族の合体のころ、モーセ殺害を悔やみ、犯行を忘れようとした。事実は歪曲された。 p87
時代考証。
p88
ミディアンのモーセが教えたヤハウェは、飛びぬけて偉大ではなかった。
p89
「エジプトのモーセが、民族の一部の人びとに、元来のヤハウェ神とは別の、より高度に精神化された神の観念を与えた」
p90
「モーセにまつわる伝承は生き残り、伝承の力が、もちろん幾世紀もの時の経過のなかでゆっくりとではあったろうが、ついにモーセ自身がやりのこした仕事を達成してしまったのだ」
「ヤハウェは神の場を占拠したが、その神の影がヤハウェよりも強力になってしまった」
p91
暗闇から育った強力な伝承にとらえられた預言者たちがモーセの教えを語り続けた。
p92
識者の意見。
p93
ユダヤの歴史の二重性。
「これらの二重性のすべては、第一に挙げた二つの民族集団という二重性に淵源するのであり、民族内の一群の人びとが心的外傷と言ってもよい体験を得てしまい、残りの人びとはこれと縁がなかったという事実からの必然的な帰結なのである」 p94
展望。