射映
射映は尽きることがないので、完全な対象把握はできません。(Discord) ある対象を見るとき、どこからどのように見るかによってさまざまな見えが与えられる。
この個々の現われを「射映」という。
対象を上から見るとき、同時に横から見ることはできない。現に見えている側は、それだけではなく現に見えていない背後も併せ持っている。
物が一連のさまざまに見える側面という射映を通して、一つの対象として見えていること、すなわち、この見えの成り立ちは、射映がそれぞればらばらに独立しているのではなく、一つの一連の射映として取りまとまっていることによります。この取りまとまりを綜合と呼び(以下略)
山口一郎『現象学ことはじめ」p.36