ベルクソンの動的図式と他の思想家の考えとの比較
ところで、図式はそうした過程を通じて不動なままではいない。図式は図式を満たそうとするイメージによって変容される。ときには、最終的なイメージの中に元の図式からは何も残らないことがある。発明家は発明する機械の細部を実現していくにつれて、つくろうと思っていたものの一部を捨てるか、あるいは別のものを手に入れる。同様に、小説家や詩人によって創造された人物は、それらの人物が表現するはずの観念や感情に逆作用する。そこに予測できないものの役割が見いだされる。その役割は、イメージが図式へ戻って図式を変容させたり消滅させたりするその動きの中にある。
カントの「図式」はおそらく不動だが、ベルクソンのそれは動的で可変的である
ブランダムのいう「統覚作用」と比較してみたい
ベルクソンは「表象」ベースの語彙を使うが、ブランダムは「規範」ベースの語彙を使う