シルエットの語源
調べたので書く←読んだ。良いですねー、このねちっこさ5番地.icon
こういうの大好き何ですがすれ違ったうんちく全部にこれやってると時間がどんどん溶けていきますね……wcman.icon
「シルエット」の語は、フランス王ルイ15世の治世下で財務大臣を務めたエティエンヌ・ド・シルエットに由来する。当時フランスは七年戦争が長引いたことで財政難に陥っており、エティエンヌは特に富裕層に対して厳しい倹約を要求しなければならなかった。写真が登場するまでは、切絵によるシンプルな肖像が人物の特徴を記録する最も安上がりな方法であり、彼はこれを好んだため、このような肖像画、さらには安上がりで済ますことが人々の間で「シルエット」と言われるようになった。https://ja.wikipedia.org/wiki/シルエット これは日本語版Wikipediaの記載だが、Google検索をしても、日本語の結果は大体この程度の粒度である。
「黒一色の絵の具で書いた」などの記載すらある。(恐らくは誤り)
しかし、このWikipediaの記載は信頼性に疑問がある。
参考文献がインターネットのサイトである(英語版、日本語版共に)
フランスの歴史であるため、フランス語版Wikipediaを調べた。
エティエンヌ・ド・シルエットの実在を確認した。
ここにも由来であるという表記がある
大蔵省会計検査官としての短い期間と、この不人気ぶりから、ルイ・セバスチャン・メルシエの『パリの表象』やオノレ・ド・バルザックなど、複数の作家が「シルエット」という通称の由来を述べている。後者は、些細なもの、未完成のものを修飾し、その寸法が、お金を預けるためのマチのないブリーフのように、触れたものを減少させる状態を連想させるものであった。このように、中国の影絵で作られた肖像画をトレースし、当時流行していた顔の影に合わせて切り取ることを「ア・ラ・シルエット」と呼んでいたhttps://fr.wikipedia.org/wiki/Étienne_de_Silhouette ―Deepl翻訳 周辺情報を探ってもいまいち究極の出典はつかめなかった
フランス語版の「シルエット」Wikipediaを参照した
ここでは、今までの由来説とは違う説が記載されている。
参考資料の一つを調べることにした
Georges Vigarello : L'art de la silhouette du xviiie siècle à nos jours Seuil, 10 2012 (ISBN 978-2021061505)
フランス版Wikipediaの直接の出典はほぼこの本ともう一つで構成されている。 フランス語の本であり、読むことはできないが、「Georges Vigarello」は歴史学者であり、著作には索引があるはず。
電子版があれば、試し読み、索引から究極の出典に向かうことが出来そう。 電子版が容易には見つからなかったが、ISBNを検索することでamazonページが出た。 Google検索に出てきた英題「The Silhouette: From the 18th Century to the Present Day」を検索することで英語版が出た。
しかも、序盤の語源説のところ、最後の索引のところが試し読み出来るというお誂え向きだ!
索引4引用部分にて、「シルエット」の名が「貧困」「ケチ」「未完成」「粗雑」などのイメージと結び付けられ、「Silhouette look」と呼ばれていたという描写を発見。
ここはGoogleレンズによる翻訳から意を汲み取っている
つまり、「ルイ・セバスチャン・メルシエの『パリの表象』」だった!
まとめ
この語源説の直接の出典は『Georges Vigarello : L'art de la silhouette du xviiie siècle à nos jours Seuil』
究極の出典は『Louis-Sébastien Mercier:Tableau de Paris, 第2巻』
この用法は「貧困、ケチ、荒い」のような意味から「単純で、取るに足らない」「細部が欠如した」「未完成の印象を受ける」という使われ方をしていたらしい。
「安かろう悪かろう」のイメージ? もうすこしニュアンスが付属している気がする
しかし、これらの用法は任期期間の短さからすぐに移り変わり、現代に近い、芸術的用法の「シルエット」が生まれた。