アンチ・ヒューマニズム
感性的・身体的内容を捨象することによる「自我」が世界を構成するといった超越論的なデカルトの思想は,以後カント,ヘーゲル,フッサールを経て西洋近代文化形成の指導原理として確立するが,これは基本的には人間中心主義という意味におけるヒューマニズムであった。これに対し,ハイデッガーはアンチ・ヒューマニズムを主張して,近代的思考様式を根底から疑問視した。のちに登場する構造主義やポスト構造主義はこれを継承して人間中心主義を克服,さらには古代ギリシア以来の形而上学的思考様式を根底からゆるがすことになる。 日本では、ヒューマニズムは人道主義や博愛主義などの意味を指す場合があり、「反道徳主義」といった意味合いで「アンチヒューマニズム」が通俗的に使われることがある。