アナーキーの語源は原理(アルケー)と欠如「〜がない」の合成
「アナーキズム」という言葉は日本語では通常「無政府主義」と訳される。主義になる以前は「アナーキー」であり「無政府」となるわけだが、本稿ではより根源的に「無原理」、つまり支配的な原理への否定と捉えている。 第1回の連載で触れたように、この「アナーキー」(anarchy)なる英語の語源はギリシア語の「アナルキーア」(ἀναρχία, anarkhia)にあり、これは元を正せば「欠如」つまり「〜がない」を意味するギリシア語の接頭辞anと「原理」を意味するarkhê(アルケー)の合成語なのである。つまり「原理がない」ということなのだ。