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私が取り組みたい研究課題は、初心者でもわかりやすく理解できる体験型セキュリティ教育ゲームを開発し、その効果を検証することである。従来型の教育を補いながら、実践的な学習体験を通じて理解と学習意欲の向上を目指したい。
現代社会におけるサイバー攻撃は高度化・多様化しており、セキュリティ人材の育成は急務となっている。私は、ポケモンや遊戯王などのゲームでは複雑なルールや多くの名称を自然に覚られた経験があり、ゲームでの学習体験をセキュリティ教育に生かせると考えた。また、VRChatでの体を動かしながらの作業や世界の没入感、ChatGPTなどから会話をしながらの作業に魅力を感じ、これらを教育に応用すれば従来にはなかった学習体験ができるのではないかと考えた。
従来のセキュリティ教育は座学やアナログゲームなどに依存するものが多く、これらは楽しさではなく学習優先で専門的で難解な言葉や内容を意識する必要があり、初学者にとっては理解や学び続けることが難しい。私自身、学習を始めた際に教材の理解しにくさに直面し、実践的な感覚を得くいことや、学習意欲の維持が難しいことを実感した。
これらの経験から、私はVRとAIを組み合わせたゲーム教材の開発を考える。このゲームは学習者が楽しみながら自然と学べるものを目指す。例えば、入国審査や陣取りゲームなどの要素を取り入れ開発する。ゲーム内のAIは、相手側AIをルールベースや強化学習によって設計し、学習者の行動に応じて動的に攻防を動的に生成する。また、学習者側AIは自然言語処理でシステムログを解析してリアルタイムにヒントや解説を提示する。これにより、ゲームの楽しさ、AIの相棒、VR体験により学習ハードルを下げ、学習意欲の維持にもつながると考える。
さらに、教育効果を検証するために、開発したゲームと従来型教材を比較する。まず、ルールベースAIを搭載したものと従来型で効果を確認する。その後、強化学習を導入したもので確認する。そして、タイプの違う複数の体験型ゲームでの学習と従来型教材の学習の効果を確認し、理解度テスト・行動ログ分析・学習意欲の変化などを指標に比較する。これにより、開発した教材の有効性を確認できると考える。
この研究の意義は、普段セキュリティや情報関連のものに触れたことのない人でも抵抗感が少なく学びやすい教材を提供することで、人々のセキュリティ意識の向上や情報セキュリティ人材の育成に貢献できると考える。