贈与論・交換価値論の基礎知識
人類学的対象として最も興味深いトピックのひとつである「贈与」。マリノフスキーによるクラ交易の報告、モース『贈与論』に端を発して、以来、関連領域においてしばしば取り沙汰されてきた。
本邦での成果で言えば例えば柄谷行人の交換価値論、とりわけ『世界史の構造』もその系譜に連なるものだろう。もちろん修正マルキシズムとしての色合いも濃いが。
そして、2024年には、人類学・社会学・宗教学の成果に計量的な裏付けを与えるような研究報告が東京大学大学院総合文化研究所(板尾健司・金子邦彦)から出てきたことも話題になった(世間的な関心は半世紀以上前に文化人類学で主張されていた理論の方にあった、というのは一応指摘しておいた方がいいだろう。訴求できるはずの潜在層にこれまで届いていなかったのだから、当該学科のアウトリーチ活動にもまだまだ進展余地がある、という話だ)。
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さて、以下では贈与交換の用語やトピックについて、簡単に概要をまとめる。当然筆者の関心範囲に偏る。
そのうち書く。
マリノフスキー
モース
バタイユ
返礼義務
交換価値論
アナキズムとの関係
世俗儀礼