会議の心得
先日、会社で採用活動改善のための連続的会議体を構成した。
その参加者に対してファシリテーションスキルを共有しようと思い立って、社内資料に幾らかtipsを書き出していたのだが、あの場だけに留めるのはもったいない気がしたので転載する。(Miro付箋にノリで書いた短文が元なので、後で加筆したい)
もちろん、すべて自分の手になる文章であり、外部公開に何らの懸念も存在しない。
「会議体には、参加者の役割定義を置きましょう」
何を期待されて参加しているのかがわからない人物が積極的に意見を出せるわけないんですよね。ということで、役割を明示しましょう。
以下は、定めておくと良いロールの例です。
ファシリテーター(会議やその目的達成を円滑化するために、やれる範囲で何でもやる)
最終意思決定者(最後に決める人、DRI)
開催責任者(次回開催の日時調整や場所押さえ、連絡等を行う)
議論参加者(事実整理・プレゼンテーション・アイデア出し・批判などが主な行動となる)
オブザーバー(ただし、無目的で置かない方が良い)
このほか、「どのような観点からの意見出しを求めるか」なども有効です。例えば、あえて素人目線で他の職種に突っ込んでほしいのか、○○の専門家としての見解を主として期待するのか。
カレンダー招待時などに予め伝達できるとなお良いです。
「タイムボックスを設定しましょう」
時間枠を超過することが当然になると会議の質は落ちてゆきます。各アジェンダに想定時間を割り振っておき、時間内に終えられそうにない場合の対処も予め考えておきましょう。そうした事前設計が、リアルタイムでのファシリテーションスキルの習熟にも繋がります。
「書記を定めるよりも、参加者で協力して情報保存をしましょう」
特にオンラインホワイトボードを利用する場合、書記を定めずに参加者全員が自律的に付箋を書いていくのが良いです。単一人員に任せるとモタるうえに、余裕がないので記述精度も低くなります。貢献感のバランスも取りやすくなるので、ぜひ取り組んでみてください。
念のため補足しておくと、「議事録それ自体がビジネスパートナーへ提出する成果物である」などの場合はむしろ実行責任者を明確化しましょう。
「連続的な会議体の場合、前回の宿題が放置されないように確認しましょう」
宿題化したまま放置にならないよう、連続的な会議体では都度前回の復習をしておきましょう(時間はかけすぎずに!)。
「ファシリテーターは意思決定を高速化しつつも、その過程に各参加者の介入余地を作りましょう」
発言のない人物がいると思ったら、ファシリテーターから指名で話を振っていきましょう。
逆に、単に話を振るという直接的な方法ではなくとも、参加者から自発的に意見を吸い上げるための方法は世の中に既に沢山存在します。調べて身につけましょう。例えばroman voting(決定への同意/不同意を安全に表明してもらうために行う投票)はそのための良い方法のひとつです(なお、本邦だとthumbs downに抵抗ある人も多いかと思うので、別の記号にリプレイスすることをおすすめします)。
「明示的なゴールを設定し、参加者の共通認識としましょう」
ゴールを設定していない会議の生産性は低いです(断言)。
「論題設定に関するWhyは、場の設定や理念から演繹的に導くことで、早期に収束させましょう」
そのとき、ある程度の独断があっても構いません。また、宿題→実行→ネクストアクションのループ形成を目的に据えることでWhyやContextの整理が飛ばせる会議もあるはずです。ただ、飛ばすにしても参加者間での認識共有は欠かさないようにしましょう。
「WhatやHowは、発散させる余地があります」
多角的なアイデアを各参加者から集めましょう。ブレインストーミング的な議論方法(近年、疑いの目も向けられていますが)も、その範疇なら使えます。
それでいて、発散させ過ぎにも注意です。ファシリテーターは、参加者の発言内容が本題から逸れてきたら、別の場で続きをしてもらうように促しましょう。
「特定のメンバーにマイクが偏りすぎないように議論状況をコントロールする仕組みを導入しましょう」
ファシリテーターは、参加者の発言比率に気を配りましょう。ある人物が独占的に話を進めるという場面は最小化しましょう。発言機会平等性の問題のみならず、決定事項への参加者の納得度を不要に低めてしまう懸念があります。もっといえば、自己効力感の得られない会議では、人は注意散漫になります。
もちろん、「議論コンテキストの説明が特定人物にしか果たし得ない状況」などではこの限りではありません。要点をまとめて、全員の目線が合うように話してもらう方向で、サポートに徹しましょう。