レイターステージで入社したスタートアップ企業にSOを要求する向きについて思うこと
結論から先に書くと、「シード期にジョインするのでなければ、過度な期待はしないこと」である。
というか雇われ根性の人間なら月給で調整しろ。
エクイティ・ファイナンスベースで調達を進めていて既に投資ラウンドが多く回っている会社が新たに発行したSOで得られる持分比率やキャピタルゲインを考慮すると、だいたいの場合、業績連動性の強いボーナスのあるメガベンチャーなどに行った方が回収が早く確実である。
3,4年もすれば、ミドルステージ以後に参画した場合にメンバーに割り当てられるSO(での結果収益)よりも高額な追加報酬が見込めるのではないだろうか。
しかし、「どれだけの持分がもらえるか」「上場時の評価額はどのくらいだと推測できるか」「売却時の時価総額は事業戦略・市場規模などのポテンシャルからしてどの程度まで膨らむ見込みであるか」などなどを考慮した上でなおROIが取れると自力で判断できるのであれば話は別だ。ぜひに交渉するべきだろう。
ただやはり、「スタートアップ企業への参画ならSOを期待したい」くらいの解像度でSOを重視するのは、あまり態度形成として良い帰結を生まない。
特にそれなりに育った会社であれば。事業・組織体制がそれなりに構築されたあとからSOを要求するという態度はtaker的な印象が否めず、「会社に何をgiveできるか」に対して明確な解を持てなければ、「蜜を吸いに来ました」宣言にしかなり得ない。
そしてそもそも、自分自身が相当の売り手人材であるなどの場合でない限りは、あまり良い取引も見込めない。
別の待遇要素を取りに行くか、スタートアップを実際スタートさせる方向での転職を考え、黎明期の開拓者となろう。