リグンガイ|M1|20201021|研究発表+討議
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M1 リグンガイ 台湾における日本の植民地建築
日本の他の地域の植民地建築はどんな様子か、植民地建築の研究方法を勉強する
■前期の研究
青島の植民地建築の概説とドイツ占領期(1897-1914)から日本占領期(1914-1922)までの都市計画
■今回
台湾の植民地建築
台湾総督府
初めは台北布政使衛門の建物を転用していた。
設計競技
実際につくられた庁舎は、もとの長野案に比べて全体として華やか、ペディメントなど古典建築の意匠を用いたものが多い。
「辰野式」 典型例:東京駅
周囲に比べて目立つような建物になるように設計されている。クイーン・アン様式を基調とし、そこに円柱やペディメントを付して飾っていく。フリー・クラシック。
「クイーン・アン様式」 市街地に溶け込むようにつくられている。寄棟が多い。
■これから
韓国や満州などにおける、日本の植民地建築について
日本の植民地建築の特徴
(議論)
伊沢
総督府の周りはどんな様子だったか。
→緑が多くある、広場がある
広場の使われ方、イメージは?
青井先生
行政都市。布政使司衛門などがある。コンバージョンして入った。ここは完全に中国の様式。
総督府がつくられた当時はスカスカで、官庁街が形成されていた。
広場のような場所は実は通り。今はデモが行われる場所ともなっている。
大野
植民地計画に興味あるのか、もともとの土地に対して台湾の中で日本はどこに建物を建てていくかという都市計画に興味あるのか?
→チンタオにおける日本の植民地建築について研究したい。その資料が少ないから、他の地域における日本の植民地建築についても勉強したい。他の人がどう研究をしているのか、
大野
国ごとにどう違うのか、植民地建築のどの部分に着目するのか。
建物についてならば、比較対象をどうするか。
青井先生
日本における蓄積された研究が多いのは、満州、台湾。様式の理解については怪しい部分が多い。注意して見る必要あり。
塔が伸びている、両サイドが前にせり出していることを挙げて権威の表現といわれることが多い。しかし赤レンガと白の縞模様をつくる「辰野式」は、権威の表現には向いていない。先入観が強い状態で
なぜロッジアがあるのか、権威を示すならつくらなくてもいいのに。変化に富んでて見てて楽しい。
既往研究をこれは本当にあっているのか疑いながら読んでいかないといけない。
(チャット)
青井 哲人: ↑東大の博士論文ですね。青井は審査委員(副査)でした。
伊沢 尚: はい、コメントがかかれていました
青井 哲人: あ、そうか。
青井 哲人: ・近江栄『建築設計競技―コンペティションの系譜と展望』(鹿島出版会、1986)
伊沢 尚: 総督府の周りはどういった街並みだったんでしょうか?
青井 哲人: クイーン・アンで官庁・公共建築やオフィス・銀行建築などをつくることは、まずない。
寺澤 宏亮: 国ごとにみていく狙いは何ですか?
竜 大野: 植民地建築?都市計画?
Hikaru Yoshida: 植民地建築のどの部分に着目していく感じですか?様式?
青井 哲人: ・台湾総督府庁舎は、もちろん権威的な表現をとっている。塔の高さは異例なもので、結果的には意匠的にもまあまあ。他にも当選案に対してバロック的な特徴を増やして権威性を増している。でも、赤レンガと花崗岩の縞模様をつくる辰野式は、基本的に権威表現に向いていない。町並み的なやさしさやピクチャレスクな変化の味付けだから。さらに、吹き放ちのロッジアがあって、これは熱帯的なベランダ。もっと徹底的にバロックをやればよいのに、やっていない。その辺はよくわからない。
<on slack>
リグンガイ
@大野 竜 いろいろなコメントやアドバイスありがとうございます。さっきはっきり説明ませんでした。すみません。
最初の思いは植民地計画ではなくて、植民地建築の歴史と様式に興味があります。そして、他の地域の植民地建築の研究を勉強しているうちに、共通性があることを了解しました。大体同じ時代に(明治-大正時代)、建築の技術と思潮が類似するかもしれないと思います。それで、この時代に日本の植民地歴史をもっと了解したいです。
建物について、分類したいと思います。官公庁などの支配機関は重要な植民地建築ですが、「植民地」に対して、工場、学校や病院など日本人やもともとの住民の生活に密接に関係する建物も重要だと思います。彼らの様式に比較しながら、なぜこれを行うのか、それが植民地支配にどのような影響を与えるのかを考えたいです。
大野 竜
@リグンガイ 僕も説明が下手なのでわかりにくかったと思います、すみません。笑
すごく面白い研究だと思います。植民地時代の建築に着目して勉強していくと、様式、技術、素材、建つまでの経緯など…様々なものが見えてくると思います。
官庁周辺であれ、市民の日常の空間であれ、おそらく日本の植民地計画と彼らの生活空間との間に軋轢が生まれると思います。
そういったものを国や地域ごとに比較して見るのは面白そうですね。