研究目的・目標の書き方(目標規定文)
この記事は,「理科系の作文技術,木下是雄(1981)」の本を基に書いています.
はじめて論文を書く人にありがちな失敗は…
色々書いている内に,本当に書きたい内容がわからなくなってくる
主題と関係ない文章が増えてくる
論文はただ書けば良いものではありません.
論文は何かを主張しなければなりません。
主張であることに加えて、論文は別の特性を持たなければなりません:新しいことを言わなければなりません。
論文は相対性理論など、私たちが信じるすべての基盤を変える程、壮大である必要はありません。
なお、不要な文章が増えていくと,本来主張したい内容がぼやけてしまいます.
そのためには,論文の方向性を見定めて,筋の通った論文を書くことが大切なのです.
そこで,筋の通った論文になるような道標はどのように作ればよいのか,ということについて以下に書き記しておきます.
論文の主題を決めた後,自分は何を目標としてその文章を書くのか,そこで何を主張しようとするのかを熟考して,それを一つの文にまとめて書く文章を「目標規定文」と呼びます.
論文を書く前には必ず「目標規定文」を書き,それからその目標に収束するように,文章全体の構想を練ることが必要です.
「目標規定文」を書いておくと,執筆の途中で材料の取捨選択に迷ったときも,判断を助けてくれるはずです.
つまり,余分な文章を書かないようになるはずです.
目標規定文の作成に定型文はありません.ですが,有効だと考えられる基本型はありますので,下記を参考にしながら書いてみて下さい.
「(A)を明らかにし、(B)を主張する」
本研究を実施する前の状況を (A)を明らかにし,事例の持つ新規性/有用性(B)を主張する.
客観的に明らかにすること (A)
新しい効果があると言えても,客観的というには先行研究や先行サービス等の情報に基づく説明が必要不可欠である.
事例の新規性/有用性を主張すること (B)
本研究がもつ新しい技術や考え方が (A) とのギャップをうめるために有効であること,を論理的に主張する.
本研究が有用な知見を含んでいること,を論理的に主張する.
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