9302_背もたれ付き入浴台を、ユニットバス全面に・3
車いすユーザーさんから入浴のご要望をお聞きする時は、「シャワー浴だけでいい」のか「浴槽にも入りたい」のかを、お尋ねすることから始まります。この住まいてさんは「洗い場でのシャワー浴だけではなく、何とか浴槽にも入りたい」とのことでした。賃貸マンションなのでできることは限られ、ベストでなくてもよりベターな改修をと考えました。
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標準的なユニットバスよりやや大きな、1317タイプ(130cm × 170cm)でした。長辺の 170cmのうち、浴槽の幅は 70cm、洗い場の幅は 100cmでした。この洗い場だけの入浴台を作ることになりました。
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ですが、洗い場だけに入浴台を造り浴槽はそのままにすると、洗い場が狭くなり体の回転がしにくくなり、洗い場から浴槽に転落してしまう危険があります。住まいてさんと打ち合わせをしたところ、大丈夫とのことでした。
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こちらのお住まいの浴室は、洗い場だけでなく浴槽の上にも入浴台を設置しました。体の回転がしやすく、浴室での安全を重視したい、住まいてさんに意向に合わせました。
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さて入浴の方法は、このようにしたいとのことでした。1. 入浴台の切り欠きに合わせ車いすをとめ、両足を入浴台をのせて前進する。2. 入浴台の背もたれに寄り掛かり、両足をカーテンのある隅に向かって伸ばす。この状態で体を洗う。3. 体の向きを変え、両足から浴槽に入っていく。
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入浴台の切り欠きに向かって、車いすを前進させます。その時、両足を入浴台にのせておきます。
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切り欠きは、車いすのフレームが入浴台にぶつからないようにするためです。車いすのキャスターもぶつからないように、フレームや脚をなくしました。
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体を洗う時に寄りかかる背もたれは、入浴台の隅にしました。洗い場の対角線の長さを利用して、足を伸ばせるからです。
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背もたれに寄りかかった姿勢で、使いやすい位置にシャワーを取り付けました。ユニットバスの壁面に固定しないように、既存の手すりを利用しフレームを作り、そのフレームにシャワーを取り付けました。手のひら全体でシャワーヘッドを支えられるように、取ってをつけました。
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背もたれに寄り掛かっているとき、両足をカーテンのある隅に向かって伸びています。浴槽へは両足から入っていきます。
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のんびりと温まったあとは、浴槽の中心あたりから、入浴台にうつ伏せの状態で浴槽から上がります。
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このお住まいは賃貸マンションなのですが、洗面室がトイレと一体となっていて、車いすユーザーに住まいやすい間取りでした。間取りの変更はできないので、マンション選びではエントランス回りの行き来しやすさだけでなく、水回りのレイアウトも大切なでした。
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ユニットバスの入口の向かい側がトイレになっていて、トイレには、跳ね上げ式のトイレ台を作りました。