9289_「僕は、窓がひとつ欲しい」ヒアシンス・ハウス

さいたま市南区の別所沼公園内に佇む、昭和初期に活躍し 24歳で急逝した詩人・立原道造が、自らのために建てようとしていた、5坪（10帖）ほどの週末住宅です。「僕は、窓がひとつ欲しい」、詩人が大切にした「窓」の前に立ち、私もその意味を考えました。

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この週末住宅は、窓のために建てられたように、私には感じられました。

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それぞれの窓には役割が与えられていて、中でもコーナー開口の腰窓が最重要なのでしょう。

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窓とはなんだろう、なぜ窓にこだわろうとしたのだろう。

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窓そのもの意味というより、窓が果たす役割に意味があるはずです。

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「窓」は、景色や風、人とつながります。詩人と他者とのつながりは、「窓」にあるように思えるのです。

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空間に対して大きな窓を左右を壁で絞り込み、左右のガラス扉は壁中に引き込みフル開口できます。

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5坪の空間を閉じながら開く、「他者を最大限に感じられる」ための工夫だと感じました。

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幅の広い窓台は花を飾ったり、腰を掛けるのにちょうどいい高さ、奥行きでした。

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自分の身体の延長としての住まい。週末の詩人には、このような住宅が必要だったのでしょう。

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