音楽と映像のマルチモーダル・コミュニケーション
岩宮眞一郎, 九州大学出版会, 2011
130ページ
速度とテンポの対応関係の要因は、速い映像には速いテンポが、遅い映像には遅いテンポが調和することを示す。これらの組み合わせは、視聴覚素材の軽快感に同様の効果をもたらす要因どうしの組み合わせである。
速度と調整の要因は遅い動きには短調の音楽、速い動きには長調の音楽が調和することを示す。これらは、視聴覚素材の明暗感に同様の効果をもたらす要因の組み合わせである。密度とテンポの要因は、高密度の映像には速いテンポの音楽、低密度の映像には遅いテンポの音楽が調和することを示す。これらは、視聴覚素材の混雑感に同様の効果をもたらす要因の組み合わせである。
これらの傾向を考えあわせると、軽快因子、明暗因子、混雑因子において、作品の印象に対して同様の効果を持つ音楽要素と映像要素の組み合わせが調和感を向上させると考えられる。
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